💡 この記事のポイント
- ワースト1位のアーキテクツ・スタジオ・ジャパン(-24.77%)をはじめ、下落率15%超が6銘柄。決算シーズン後半の失望売りが集中。
- ペプチドリーム(4587)が営業損失50億円の赤字転落で-10.58%。創薬事業の売上が前年比60%減と急縮小。
- クオンツ総研HD(旧M&A総研)が-9.12%。高値7,500円から長期下落トレンドが継続し、M&A仲介バブルの崩壊が鮮明に。
- グロース市場が14銘柄(56%)を占め、小型グロース株の選別と需給悪化が加速している。
目次
本日の値下がり市場概況
2026年2月17日の東京株式市場では、前週末にかけて相次いだ決算発表を受け、幅広い銘柄で売りが広がった。値下がり率ランキング上位25銘柄の内訳は、決算失望・業績悪化ショックが7銘柄、好決算出尽くし・来期失望売りが10銘柄、小型株の需給・流動性悪化が8銘柄と、決算シーズン後半特有の多様な売り要因が混在する展開となった。
特にペプチドリームが営業損失50億円の赤字転落で1年7カ月ぶり安値を更新。クオンツ総研HD(旧M&A総研)はM&A仲介市場の競争激化懸念で長期下落トレンドが継続中。一方でカヤックやソラコムなど好業績にもかかわらず売られる「出尽くし銘柄」も目立ち、市場の選別姿勢が鮮明になっている。
値下がり率ランキングTOP25一覧
| 順位 | 銘柄名(コード) | 市場 | 業種 | 株価 | 前日比 | 下落率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(6085) | グロース | サービス | 1,215 | -400 | -24.77% |
| 2 | キッズスター(248A) | グロース | 情報・通信 | 1,187 | -263 | -18.14% |
| 3 | マイクロ波化学(9227) | グロース | サービス | 1,065 | -219 | -17.06% |
| 4 | 大谷工業(5939) | スタンダード | 金属製品 | 8,390 | -1,610 | -16.10% |
| 5 | 日本精密(7771) | スタンダード | 精密機器 | 525 | -100 | -16.00% |
| 6 | カヤック(3904) | グロース | 情報・通信 | 503 | -95 | -15.89% |
| 7 | 辻・本郷ITコンサルティング(318A) | スタンダード | 情報・通信 | 1,737 | -271 | -13.50% |
| 8 | ムービン・ストラテジック・キャリア(421A) | グロース | サービス | 1,781 | -238 | -11.79% |
| 9 | ピーエイ(4766) | スタンダード | サービス | 252 | -32 | -11.27% |
| 10 | キットアライブ(5039) | グロース | 情報・通信 | 1,223 | -147 | -10.73% |
| 11 | 大黒屋ホールディングス(6993) | スタンダード | 小売業 | 151 | -18 | -10.65% |
| 12 | ペプチドリーム(4587) | プライム | 医薬品 | 1,402 | -166 | -10.58% |
| 13 | fonfun(2323) | スタンダード | 情報・通信 | 374 | -44 | -10.53% |
| 14 | AI CROSS(4476) | グロース | 情報・通信 | 1,062 | -121 | -10.23% |
| 15 | ビジネスコーチ(9562) | グロース | サービス | 2,455 | -269 | -9.88% |
| 16 | ライトアップ(6580) | グロース | 情報・通信 | 1,841 | -193 | -9.49% |
| 17 | ソラコム(147A) | グロース | 情報・通信 | 1,040 | -108 | -9.41% |
| 18 | マーケットエンタープライズ(3135) | プライム | 小売業 | 1,004 | -103 | -9.30% |
| 19 | AnyMind Group(5027) | グロース | 情報・通信 | 492 | -50 | -9.23% |
| 20 | クオンツ総研ホールディングス(9552) | プライム | サービス | 777 | -78 | -9.12% |
| 21 | 日鉄鉱業(1515) | プライム | 鉱業 | 3,800 | -380 | -9.09% |
| 22 | ラクオリア創薬(4579) | グロース | 医薬品 | 1,005 | -97 | -8.80% |
| 23 | コンヴァノ(6574) | グロース | サービス | 136 | -13 | -8.72% |
| 24 | イクヨ(7273) | スタンダード | 輸送用機器 | 733 | -67 | -8.38% |
| 25 | セルシード(7776) | グロース | 精密機器 | 330 | -30 | -8.33% |
全25銘柄の下落要因と注目ポイント
値下がり率ランキングTOP25の全銘柄について、下落要因と注目すべきポイントを順位順に整理する。
下落パターンの分類
25銘柄を下落要因別に分類すると、大きく3つのパターンに整理できる。決算シーズン後半に入り、業績悪化ショックと好決算出尽くしが混在する複雑な地合いとなっている。
パターン1: 業績悪化・赤字ショック(7銘柄)
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(6085)、キッズスター(248A)、マイクロ波化学(9227)、大谷工業(5939)、ペプチドリーム(4587)、ライトアップ(6580)、セルシード(7776)
業績の実績または見通しが大幅に悪化したケース。ペプチドリームの営業損失50億円(赤字転落)、ASJの売上26%減、マイクロ波化学の赤字拡大など、決算内容そのものが市場の期待を大きく裏切った。住宅関連、脱炭素テーマ、バイオと業種は多岐にわたるが、「赤字」というキーワードが投資家心理を直撃している点は共通している。
パターン2: 好決算出尽くし・来期失望売り(10銘柄)
カヤック(3904)、ムービン・ストラテジック・キャリア(421A)、大黒屋HD(6993)、ソラコム(147A)、マーケットエンタープライズ(3135)、AnyMind Group(5027)、クオンツ総研HD(9552)、日鉄鉱業(1515)、ラクオリア創薬(4579)、コンヴァノ(6574)
業績自体は好調でも「材料出尽くし」として売られたパターン。ソラコム(営業益+422.9%)、カヤック(営業益+199%)、ムービン(6期連続最高益)など好業績を出しながらも株価が急落。決算シーズンでは「良い決算」だけでは不十分で、市場の期待を超えられたかどうかが株価を左右している。クオンツ総研は長期下落トレンドの中での決算反応で、構造的な問題も抱える。
パターン3: 小型株の需給・流動性悪化(8銘柄)
日本精密(7771)、辻・本郷ITコンサルティング(318A)、ピーエイ(4766)、キットアライブ(5039)、fonfun(2323)、AI CROSS(4476)、ビジネスコーチ(9562)、イクヨ(7273)
特段の悪材料がなく、小型株特有の流動性リスクから下落幅が拡大したケース。時価総額10〜30億円クラスの超小型株が中心で、キットアライブの出来高はわずか5,500株。売り注文の集中による需給インパクトが下落率を押し上げており、企業のファンダメンタルズとは異なる要因で動いている点に注意が必要。
業種別・市場別の傾向
業種別分布
情報・通信業が9銘柄(36%)で最多を占め、AI・IoT・DX・マーケティングテクノロジーと幅広いサブセクターにまたがっている。次いでサービス業が6銘柄で、人材・コーチング・ネイルサロンなど多様な業態が含まれる。前回(2/13)の7割が情報・通信だったのに対し、今回はより業種が分散しており、決算シーズン後半で売りの裾野が広がっていることがうかがえる。医薬品ではペプチドリーム(赤字転落)とラクオリア創薬(利確)でバイオ株の明暗が分かれた。
市場別分布
グロース市場が14銘柄(56%)と過半数を占め、小型成長株への売り圧力の強さが鮮明。スタンダード市場は7銘柄で需給悪化が主因のケースが多い。プライム市場からはペプチドリーム(時価総額2,106億円)、日鉄鉱業(同2,099億円)、クオンツ総研HD(同1,000億円)、マーケットエンタープライズ(同100億円)の4銘柄がランクインし、大型株にも売りが波及している。
まとめと今後の注目ポイント
2026年2月17日の値下がりランキングは、決算シーズン後半に入り「決算失望」「好決算出尽くし」「需給悪化」の3要因が複合的に作用した結果。TOP25の平均下落率-11.88%は前回TOP10の-18.87%よりは穏やかだが、下落銘柄の裾野はより広がっている。
特筆すべきは、ソラコム(営業益+422%)やカヤック(営業益+199%)のように驚異的な増益を記録しながらも急落した銘柄が複数存在すること。一方でペプチドリームの赤字転落やクオンツ総研の長期下落など、構造的な問題を抱える銘柄も混在しており、市場は個別銘柄の選別を一段と強めている。
今後のウォッチポイント
ペプチドリーム(4587) — 赤字転落からの回復シナリオ。放射性医薬品事業への軸足シフトの進捗が焦点。1年7カ月ぶり安値からの反転タイミング。
クオンツ総研HD(9552) — 旧M&A総研。高値7,500円→777円の長期下落トレンドに底値の兆候が出るか。M&A仲介市場の競争環境変化。
日鉄鉱業(1515) — 営業益+53%の好業績でも-9%急落。利益確定売り一巡後の反発余地と、鉱石価格の先行き。
マイクロ波化学(9227) — 脱炭素テーマ株の代表格。赤字拡大からの収益化転換時期が焦点。出来高177万株と市場の注目度は高い。
カヤック(3904) — 営業益+199%の大幅増益から一転-15.89%急落。来期見通しの具体化による再評価の可能性。
※本記事は公開情報に基づく情報整理であり、個人の見解を含みます。特定の銘柄の売買や投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いいたします。